介護用ユニットバス導入では、介護事業者を対象に補助金や助成金の制度が活用可能です。ここでは、各々の特徴について紹介します。
助成金は、国や地方公共団体、民間団体から支出されて原則は返済不要な制度です。受給するためには定められた要件を満たす必要があります。申請をすれば、ほぼ支給されるものです。しかし、あらかじめ決められている金額を達成すると、打ち切りになる可能性があります。また、購入する前に事前申請をしなければ、支給対象外になるので注意が必要です。
補助金は、国や地方公共団体、民間団体から支出されて原則は返済不要な制度です。支給側は予算と支給件数が決まっているため、抽選や先着順といった方式で支給可否が決まることが多いでしょう。また、申請しても必ずしも支給できるわけではないので、募集時期や要件をしっかりとチェックすることが大切です。
介護事業者が介護用ユニットバスに設備改修をする際、活用できる助成金・補助金は主に4つあります。
それぞれ詳しくご紹介します。
介護離職ゼロの実現に向けた受け皿拡大と、老朽化した介護老人福祉施設等修繕を目指した制度です。特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護医療院を対象に、1定員あたり112万円(※)を限度額として支給されます。
高齢者施設等の利用者等の安全・安心を確保するために、大規模修繕を促進する目的の制度です。グループホームや小規模多機能型居宅介護を対象に、1事業所あたり773万円(※) の定額支給が受けられます。毎年5月頃に募集されているものです。
社会福祉事業をおこなう民間団体による助成金であり、施設改修が対象となります。社会福祉法人・NPO法人を対象として、1件当りの助成金額300万円(※) を上限に支給が受けられるものです。
寄付金付年賀はがきの販売で集まった寄付金を使って、社会貢献活動を実施する団体に配分する事業です。社会福祉法人・NPO法人を対象に、500万円(※) の支給が受けられます。前年度の9月〜11月頃に申請開始になるため、時期を確認しておく必要があります。
介護保険の住宅改修は、要介護・要支援認定を受けた方の自宅での安全な生活を目的とした小規模な改修が対象。支給限度基準額は20万円(自己負担1~3割)です。
利用限度額は1人あたり20万円(同一住宅・同一人で原則1回)。このうち1~3割が自己負担です。
次のいずれかに該当すると、20万円枠がリセットされます。
20万円の範囲内であれば、複数回に分けて改修することも可能です(例:初回5万円→後日15万円)。
受領委任払い取扱事業者に工事を依頼すると、利用者は自己負担分(1~3割)だけを支払い、残額は保険者から事業者へ支払われます。この対応を行うことで、自己負担分のみの支払いで済み、全額の立替えが不要になります。
A. いいえ。要介護・要支援の認定が前提条件です。
A. はい。所有者(家主)の承諾書があれば利用可能です。
A. 20万円の範囲内で複数回の改修が可能です。転居や要介護度が3段階以上の上昇で20万円枠がリセットされます。
A. 同一工事での重複受給は不可ですが、制度の要件を満たせば併用可能な場合があります。例えば、「住宅省エネ2025」等は、登録事業者が手続き主体になるため、登録事業者での対応が必要となります。
高額になりがちな介護用ユニットバスは、国や都道府県、民間団体などが提供している補助金・助成金制度を上手に利用しましょう。それぞれの制度は、募集時期や対象者、支給限度額などが異なるため、事前に支給内容をしっかりと確認しておくことが大切です。
当メディアでは、「軽~重度者の幅広い対応が必要な施設向け」、「自立支援を促す施設向け」、「障がい者への目配りが必要な施設向け」の3つに分けて、おすすめの介護用ユニットバスメーカーを紹介しています。各メーカーや製品の特徴を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
RECOMMENDED
施設に合った介護用ユニットバスを導入するには、利用者の介護レベルに合ったものを選ぶ必要があります。施設や利用者の身体状況に合わせて、メーカーを3社ピックアップしていますので、特徴や強みをチェックしてみてください。
軽~重度者の幅広い
対応が必要な施設向け
画像引用元:積水ホームテクノ 公式HP
(https: //wells.sekisui-hometechno.com/)
可変できるレイアウトと、移動・洗体から入槽まで乗り換え不要なリフトにより、介護度が徐々に上がった場合でも、利用者・介助者双方の負担を軽減します。
自立支援を促す
施設向け
画像引用元:パナソニック 公式HP
(https: //sumai.panasonic.jp/bathroom/aqua_heart/)
要介護のレベルが低い方の自立支援に特化した構造のユニットバス。高さ40cm、ふち幅6cmで跨ぎやすくつかみやすい浴槽で自立を促進。
複数人の同時入浴で
目配りが必要な施設向け
画像引用元:ダイワ化成 公式HP
(https: //www.daiwakasei.co.jp/products/systembath/kaigo_yutori/)
広めの浴室に大型浴槽や複数の浴槽を設置し、多人数の同時入浴に対応。障がい者のグループホームで常に複数名を見ながら介助できるため、効率化を叶える。