介護用ユニットバス専門メディア|ケア浴 » 介護で知っておきたい基礎知識 » 入居者に起きる皮膚トラブルとは

入居者に起きる皮膚トラブルとは

加齢に伴い、皮膚は薄くなり、乾燥しやすくなることで、様々な皮膚トラブルのリスクが高まります。特に介護が必要な高齢者の方々にとって、皮膚の健康はかゆみ、痛み、感染症などの苦痛に直結し、生活の質(QOL)を大きく左右します。

本記事では、高齢者の皮膚に特有のトラブルの原因と、それらを未然に防ぎ、症状の悪化を防ぐための日々のスキンケアと介助のポイントを詳しく解説します。

肌の乾燥

原因

加齢に伴う皮脂分泌の低下や角層バリア機能の変化、低湿度などの環境要因が重なり、水分が失われやすくなります。NMFは加齢で必ずしも減少せず、組成変化が指摘されています。特に空気が乾燥する冬季や、暖房の効いた室内で悪化しやすいです。乾燥が進むと、老人性乾皮症や皮脂欠乏性皮膚炎につながります。

対策

毎日、保湿剤(ローション、クリームなど)を全身に塗布し、失われた水分と油分を補いましょう。入浴時はナイロンタオルの使用を避け、石鹸をよく泡立てて手で優しく洗います。また、室内の加湿(湿度50~60%を目安)を心がけ、湯温は41℃未満、入浴はおおむね10分以内にしましょう。

皮下出血・皮膚剥離

原因

加齢により皮膚が薄く(菲薄化)なり、真皮と表皮の結合が弱くなるため、皮膚が非常に脆弱になります。この状態で軽い摩擦やずれといったわずかな外力が加わるだけで、皮膚が裂けて剥がれてしまう現象をスキン-テア(皮膚裂傷)といいます。また、血管が脆くなり皮下出血(紫斑)も起きやすくなります。

対策

日常生活で皮膚への摩擦やずれを避けることが重要です。衣服の着脱や体位変換、移動介助の際は、皮膚をこすらず手のひらで支えるように優しく扱います。肘や脛など皮膚の薄い部分には、アームカバーやレッグウォーマーなどで保護します。絆創膏やテープを剥がす際は、ゆっくりと皮膚を押さえながら剥がしましょう。

かゆみ

原因

かゆみ(皮膚掻痒症)の主な原因は、肌の乾燥による皮膚のバリア機能の低下と、それに伴う知覚神経の過敏化です。かゆくて掻くことで、皮膚に傷(掻破痕)ができ、さらにバリア機能が低下してかゆみが悪化するという悪循環に陥りやすいです。また、内臓疾患や薬剤などが原因となる場合もあります。

対策

まずは徹底した保湿ケアで乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を回復させます。かゆみが強い場合は、自己判断せず皮膚科を受診し、症状に応じた抗ヒスタミン薬の内服やステロイド外用薬などで炎症を鎮める治療が必要です。掻きむしり防止のため、爪を短く整え、就寝時に手袋(ミトン)を使用することも有効です。

痛みや赤み

原因

痛みや赤みは、炎症が起きているサインです。特によく見られるのは、失禁関連皮膚炎(IAD)やおむつかぶれで、尿や便に含まれる酵素やアンモニアが刺激となって起こります。また、摩擦や圧迫による褥瘡(床ずれ)の初期段階、細菌やカビ(真菌)による感染症(例:蜂窩織炎、カンジダ症)、または接触皮膚炎(かぶれ)なども、痛みや赤みを伴います。

対策

排泄物による刺激がある場合は、排泄後すぐに洗浄し、撥水効果のある保護剤(ワセリンなど)を塗布して皮膚をバリアしましょう。発赤やびらんがある場合は、自己判断せずに医療機関で適切な治療(外用薬など)を受けてください。圧迫による赤みは、体位変換などで圧力を分散させ、早めに専門的なケアを開始することが重要です。

入浴前に確認すること

身体の状態と体調の確認

入浴直前に体温、脈拍、血圧を測定し、普段と比べて異常がないかを確認します。発熱、下痢、強い倦怠感がある場合は入浴を中止しましょう。また、空腹時や食後すぐ(30分以内)の入浴は、気分不快や失神の原因になるため避けます。また、急激な温度差はヒートショック(急激な温度変化による血圧の乱高下)の原因になるため、居室・脱衣所・浴室の温度差を小さくすることも大切です。皮膚に新しい傷や発疹がないかも確認してください。

浴室と脱衣所の温度管理

ヒートショック(急激な温度変化による血圧の変動)を防ぐため、脱衣所と浴室を暖めておくことが重要です。冬季は室温20~25℃程度を目安に、居室・脱衣所・浴室の温度差を小さくするように心がけます。浴槽のふたを開けて蒸気で温めたり、暖房器具を使ったりして、入浴前から温度差をなくします。湯温は、体への負担が少ない38~40℃に設定しましょう。

浴槽周りの安全確保と介助準備

転倒防止のため、浴室の床や浴槽周りに滑りやすいものがないか確認し、手すりや滑り止めマットが正しく設置されているかをチェックします。入浴に必要な石鹸、タオル、着替えなどを手の届く場所に準備しておきましょう。介助が必要な場合は、入浴中もそばにいられるよう介助者の態勢を整えてから入浴を開始してください。

入居者のスキンケア

洗浄(清潔の保持)

皮脂を取りすぎない弱酸性の洗浄剤を選び、よく泡立てて、手のひらで優しく洗うことが基本です。ナイロンタオルなどで擦ると皮膚を傷つけるため避けましょう。すすぎはぬるま湯で洗浄成分が残らないよう丁寧に行い、拭き取りはタオルを皮膚に押し当てて水分を吸い取るように優しく行います。

保湿(乾燥の予防とバリア機能の維持)

皮膚の乾燥を防ぐため、入浴・清拭後すぐに保湿ケアを行います。伸びの良いローションや乳液などを選び、皮膚を擦らないよう優しく塗り広げます。保湿剤は一度に大量に塗らず、少量ずつ使用し、全身にまんべんなく塗布することを習慣化しましょう。保湿はかゆみの予防にもつながります。

保護(刺激からの防御)

排泄物による刺激から皮膚を守るため、おむつ使用部位には撥水性のある保護クリームを塗布します。また、摩擦やずれによる皮膚剥離(スキン-テア)を防ぐため、衣類やアームカバーなどで物理的に皮膚を保護しましょう。介助時は皮膚を強く引っ張らないよう注意し、爪を短く整え、掻きむしりによる損傷を予防します。

まとめ

高齢者のスキンケアは、単に皮膚の清潔を保つだけでなく、脆弱な皮膚をトラブルから守り、生活の質(QOL)を維持する上で極めて重要です。

皮膚のバリア機能の低下を理解し、「優しく洗浄し、十分に保湿し、刺激から保護する」という基本を徹底しましょう。

日常のケアを通じて皮膚の状態を注意深く観察し、小さな変化を見逃さずに早期に対応することが、重症化を防ぐ鍵となります。

RECOMMENDED

【施設別】
介護用ユニットバスメーカー
3選

施設に合った介護用ユニットバスを導入するには、利用者の介護レベルに合ったものを選ぶ必要があります。施設や利用者の身体状況に合わせて、メーカーを3社ピックアップしていますので、特徴や強みをチェックしてみてください。

軽~重度者の幅広い
対応が必要な施設向け

積水ホームテクノ
積水ホームテクノ 公式HP

画像引用元:積水ホームテクノ 公式HP
https: //wells.sekisui-hometechno.com/

おすすめな理由

可変できるレイアウトと、移動・洗体から入槽まで乗り換え不要なリフトにより、介護度が徐々に上がった場合でも、利用者・介助者双方の負担を軽減します。

積水ホームテクノの
HPで事例を見る

積水ホームテクノに
直接電話する

自立支援を促す
施設向け

パナソニック
パナソニック 公式HP

画像引用元:パナソニック 公式HP
https: //sumai.panasonic.jp/bathroom/aqua_heart/

おすすめな理由

要介護のレベルが低い方の自立支援に特化した構造のユニットバス。高さ40cm、ふち幅6cmで跨ぎやすくつかみやすい浴槽で自立を促進。

パナソニックの
HPで事例を見る

パナソニックに
直接電話する

複数人の同時入浴で
目配りが必要な施設向け

ダイワ化成
ダイワ化成 公式HP

画像引用元:ダイワ化成 公式HP
https: //www.daiwakasei.co.jp/products/systembath/kaigo_yutori/

おすすめな理由

広めの浴室に大型浴槽や複数の浴槽を設置し、多人数の同時入浴に対応。障がい者のグループホームで常に複数名を見ながら介助できるため、効率化を叶える。

ダイワ化成の
HPで事例を見る

ダイワ化成に
直接電話する

【施設別】介護用ユニットバスメーカー3選

【施設別】介護用ユニットバス
メーカー3選

【施設別】介護用ユニットバス
メーカー3選